私のところにも売り出し当初、絶対にお得だからと言って保険外交員が販売に来ました。

先行して日本生命が売り出した「プラチナフェニックス」、あんしん生命など他の生保も追随した節税保険です。

必要以上に保険を掛けたくない私はのらりくらりとかわして加入しなかったですが。

しかし先月、昨年息巻いて勧誘をしてきた保険代理店の1社から1本の電話がはいりました。

保険代理店「実は全損扱いを売りにしていたあの節税保険が税制改正で扱いが変わることになりました」

私は「これまでも際どい保険商品は税制改正で蓋をされてしまうことがあったのであまり尖がった商品には耳を傾けないようにしているんですよ」と切り返して話を終えたのですがどうも気になりました。

なぜかというと私は同様の商品のどれにも加入しなかったのになぜこんなお知らせをわざわざ寄越すのだろうと不思議に思ったのです。

そこでネットでニュース検索をしてみると敢えて電話を掛けた理由がわかった気がしました。

魚が回遊する中で青白くうつむく女性

やりすぎた節税保険に憤る国税庁

ネットニュースで検索するとその経緯がずらりと並んでいました。

概要はこうです。

「2月13日、国税庁が生保各社を緊急招集し、法人における支払保険料の損金算入ルールを抜本的に見直すことを伝えた」とのことです。

本来、生保業界の監督官庁は金融庁ですが大鉈を振るったのは国税庁、そしてその通達は税制の抜本的な見直しです。

これまでも生保各社は税法の小さな穴をすり抜けるようにして様々な商品を販売し、その穴を塞ぐように税制改正が繰り返されてきました。

しかし、これまでの改正は今までに売ってしまったものについてはしょうがないけどこれから契約する分はこういう条件で税務上扱いますよというイタチごっこでした。

では今回はと言うと抜本的な見直し、イタチごっこに付き合わないよという国税庁の強い意志を感じる通達だったのです。

青ざめる生保各社

生保各社もこれまで国税庁が返礼率の高い保険商品についてどんなスタンスであるかは当然知っていたと思われます。

抜け穴を塞がれるたびに違う穴を探して国税庁の考えとは裏腹な商品開発を続けていたわけですから。

極端な話をすれば「販売停止になる前に急がないと契約できなくなっちゃいますよ」

なんてセールストークもあり得た生保業界の現状でした。

しかし、今回の国税庁の強い意志は生保各社を青ざめさせています。

販売停止になったとしても契約した者勝ちだったこれまでと違い抜本的ということは契約済みのものについても新しいルールを適用されかねない話だからです。

生保各社の対応

生保に限った話ではありませんが監督官庁に民間企業は気を使います。

例えダメ出しされるにしても予め筋書めいたものがあるように関係性を保つ努力がされていたはずです。

しかし、今回は取り付く島もない状況です。

生保各社は改正ルールが施行されることを待たず、自主的な販売停止に追い込まれたのです。

これまでなら改正までに駆け込みの契約をすればよかった生保業界ですが、これ以上国税庁の逆鱗に触れて過去の契約に遡って新法が適用されることを恐れての事です

保険解約の混乱を危惧

既契約者は当初説明を受けた条件とは異なるルールになってしまったら契約を続ける意味がなくなります。

それゆえ解約を申し出る企業が続出することが予想されるのです。

保険代理店は生保の商品を代理して販売し、その販売代金や商品内容に応じて一定の歩率を収入として得ます。

しかし、代理店が販売した商品が一定の間に解約されてしまった場合、一度得た収入の一部をペナルティとして返金しなければなりません。

今回、生保各社や保険代理店が気が気でないのは生保も代理店も売上を減少させる可能性がある遡及を抜本的な改正に盛り込まれてしまうと困るからなのです。

最後に

契約もしてない私に保険代理店がわざわざ電話をしてきたのはそのような業界の心細さを反映したものだったのだなと私は思いました。

しかし、今回もし遡及することになり一番の損害を被るのは生保各社でも代理店でもなくその勧誘で契約をした中小企業です。

願わくば国税庁には下々が損害を受けないような配慮してほしいと個人的には思います。

見逃す悪とすみ抜ける悪に善意の企業が苦しめられる構図にはならぬ事を願います。

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